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教話「感謝で難儀の根を切る」

2021年6月27日 上半期感謝祭のお話 (山田信二)
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【おかげを頂いても助からない】
☆ある先生の本を読んでいて、なるほどと思ったことがあります。
それは、その先生が御用を始めた時、信者さんの願い事が叶うことが助かりだと思っていた。ところが、願い事は叶うのに、その人が助からないことが多い。そのことが不思議でならなかった。後に、「おかげ」で助かるのではなくて、「信心」で助かるのだということに気がついた、という話です。

【難儀を生み出す「欲」と「恩知らず」】
☆願い事が叶っても助からないのはなぜか。それは、難儀を生み出す根っこが残っているからです。
根っこがあるから、しばらくするとまた難儀の芽が出てくるのです。
☆その根っこは何か。いろいろありますが、典型的なものに「欲」や「恩知らず」があります。
☆昔、お願い信心の方がありました。困ったことが起こるとお願いに来るのです。その都度おかげを受けてホッとするのですが、しばらくするとまた問題が起こってやって来ます。

そういう人に限って、おかげを受けたことを忘れているのです。「前にこれこれのことがあって、おかげを受けましたよね」って言っても覚えていない。あんなに憔悴していたのに!と思います。
神様はコンビニか公衆トイレみたいなものです。用が済んだらそれっきり。だから難儀も繰り返すのです。

☆欲が深い人も難儀です。困ってお願いしておかげを受けるのですが、その時は喜んでも、すぐにもっと上のものがほしくなる。これは「あんなしょぼいおかげじゃダメなんだよ、もっといいのをよこせ」と言っているのも同然です。神様は十分なおかげをくださっているか、段階的におかげをくださろうとしているかも知れないのです。でもそれをわかろうとせずに文句を言っている。

【信心で助かるのである】

☆そういう難儀の根っこを抱えていては、助からないのが道理です。信心でその根っこを断ち切るようにしたらいいわけです。でも、これが難しい。だから稽古がいるんですね。

☆どんな稽古をすればいいのでしょうか。「欲」「恩知らず」の反対をすればいいわけです。欲とか恩知らずの反対は、喜んで感謝するということです。だから「お礼が大事」と言われるのです。

☆喜んでいたら、またありがたいことが起こってくるし、今まで気付かなかった小さなことでも喜べるようになれば、幸せが増えていくのです。

☆みなさんは、喜んで感謝するという信心が身についていますか。
私はもともとひねくれたところがあるので、どうも悪意に解釈する癖があります。子どもに「お父さん、そんな悪く受け取らなくてもいいんじゃない?素直に喜んだら?」と注意を受ける始末です。人間は、ほっておいたら自分の持って生まれた悪癖に流れがち。だから、信心しないと助からないなあと思うのです。

【おかげはわが心にあり】
☆これは一時のおかげを頂くための言葉ではありません。拝んでもらって願い事を叶えてもらうのが信心だと思っていた人たちに、自分が信心してわが心が変わっていけば、人生丸ごとのおかげを受けることができる、と教えられたのです。それが「助かる」ということです。ここを怠ると、難儀のループから抜け出せないことになる。
それでは信心している甲斐がありません。