まだ亡くなって間もない方の霊(みたま)祭(まつ)りの祭詞の定型句に「ほとほとと戸を鳴らす風の音にも汝(いまし=あなた)が声かと耳そばだて、夜ごとに清らけく高照る月にも汝が面影を描きて恋しみまつり」という言葉があります。亡き人を思う心を現した言葉ですが、親を亡くしてみると、単なる美辞麗句ではなく、実際にそれに近い感傷を抱くことがあります。
亡くなった方たちは、姿は見えなくなったものの、今も私たちのことを見守り、励ましてくださっています。亡き人を偲ぶよすがは至る所にあります。日々共にある霊(みたま)様に思いを寄せていきたいと思います。
9月は仏式ではお彼岸を迎える月です。金光教でも、秋季霊祭をお仕えし、ご先祖様をはじめ縁(ゆかり)ある方たちを偲びお礼を申し上げます。お世話になったこと、命を頂いたこと、守って頂いていること…。普段足りない霊様へのお礼を申し上げましょう。
霊様を大切にすることは、木の根に肥料をあげること。枝葉である私たちも幸せになる道です。