道に迷った時、あわててどんどん進むとますますわからなくなります。落ち着いて、時間はかかるようですが、出発点まで戻って出直すと無事に目的地に着くということがあります。
人生も同じだと思います。私は何を願ってこれを始めたのか。そこに戻ってみると、自分の生きる道が見えてくることがあります。また、原点を忘れない人は迷うことがありません。
ある方は、光輝(こうき)高齢者になってもヘルパーとして働いています。それどころか、他の人には難しい利用者さんを担当して喜ばれています。
この方が若い頃、初めて派遣されたのは、75歳で片足を失ない心を閉ざした女性のところでした。家に入るとポータブルトイレはあふれて悪臭が充満していました。
この信者さんは、教会に参って私の母にお取次を頂きました。「神様がこんなに難儀な人もあるのだと見せてくれました。喜んでもらえるように頑張ります」と言い、母は「においが気にならないおかげを頂きましょう」と励ましました。この方は、その通りのおかげを頂き、以来「金光様、金光様」と言いながら、神様と一緒にお仕事を続けてきました。
この原点を忘れないからこそ、今も元気にお役に立っておられるのです。(山田信二)